遺品整理は人生で経験することがない人も多く、業者に依頼をする人の多くは初めての経験であることが普通です。そのため見積もりはどうやって取るの?料金の相場は?悪質業者に騙されたくない…そんな不安を抱えるのは当然なのです。この記事では、遺品整理の見積もり取り方から、料金を安くする秘訣、悪質業者を見抜くポイントまで、網羅的に解説します。
遺品整理において見積りを取る重要性
遺品整理を依頼する際に必ず見積りを取った方がいい理由としては、業者とのトラブル、特に追加請求を避けるために重要です。また、事前に業者に来てもらうことで、その業者の対応などを確認することもできます。事前に見積もりに来てもらう特に重要なメリットを以下となります。
- メリット① 遺品整理にかかる費用を把握できる:
当然ですが、見積もりを取ることで正確な費用を把握することができます。口頭だけでは言った言わないのトラブルに発展しかねません。見積書で業者との価格の認識の齟齬が出ないようにしましょう。 - メリット③ 追加費用が発生しないように予防ができる
業者によっては訪問もせず見積書を作り、作業中や作業後に想定外の作業が発生したと追加料金を請求してくる悪徳業者も存在します。訪問見積もりに対応している業者か確認しましょう。 - メリット② 作業員の様子をや対応を事前に確認できる
遺品整理は家に他人が上がって作業を行います。どんなスタッフが人来るのは気にならないでしょうか?対応を含めた人物の確認ができるのが訪問見積もりのメリットでもあります。また業者によっては見積は別会社ということもあるので、見積担当が当日も来るのか確認するとよいでしょう。見積から作業まで担当する人間がいることで作業前後に齟齬が起こりにくく、トラブル予防にもなります。
見積もりを取る前に遺品整理の料金相場を知ろう
業者から提供された見積もりが適正な物か判断するため、見積もりを取る前に、まずは料金相場を知っておく必要があるでしょう。遺品整理の料金は、部屋の広さや遺品の量、作業内容、地域など様々な要素によって変動します。そのため、一概に「いくら」とは言えにくいのが現状です。しかし、おおよその相場を把握しておくことで、見積もり金額が適正なのかを判断する材料になります。
料金は何で決まるのか
多くの業者が「人件費+車両費+処分費」をパッケージにした基本料金を設定しています。間取り別の相場はほぼこの部分で構成されています。つまり以下の要素が価格の決定に大きな要因を占めます。
- 部屋の広さ:ワンルームマンション、1K、1DK、1LDK、2DK、2LDK、3LDKなど、部屋が広ければ広いほど家電や家具の量が多くなり、料金は高くなる傾向にあります。
- 遺品の量:遺品の量が多いほど、トラックの台数も必要となり、運搬や処分に費用がかかるため、料金は高くなります。
- 作業範囲:遺品の仕分け、梱包、搬出、清掃、など、作業範囲(作業量)が多くなるほど料金は高くなります。
間取りが料金別の目安にはなりますが、間取りが広いだけで料金が高くなるということはありません。ただし必然的に家具・家電が多くなりますので、遺品の量の目安になると考えてください。
遺品整理の相場価格の料金表
上記のような要素を考慮した上で、一般的な相場価格の目安を以下に示します。あくまで目安であり、実際の料金は業者に見積もりを取って確認する必要があります。
部屋の広さ | おおよその相場 |
---|---|
ワンルーム(1K・1R) | 5万円~15万円 |
1DK・1LDK | 10万円~25万円 |
2DK・2LDK | 15万円~40万円 |
3DK・3LDK | 25万円~60万円 |
4DK・4LDK以上 | 40万円~100万円以上 |
不用品の買取を行っている業者であれば、買取金額を差し引いてもらうことで、実質的な料金を安く抑えることができる場合があります。また、複数の業者から見積もりを取ることで、料金やサービス内容を比較検討し、最適な業者を選ぶことができます。
遺品整理の見積もりの取り方
遺品整理を依頼する際、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。業者によって料金やサービス内容が異なるため、比較することで最適な業者を選定できます。また、見積もり内容を細かく確認することで、後々のトラブルを防ぐことができます。
複数の業者から見積もりを取る
少なくとも3社以上の業者から見積もりを取りましょう。相見積もりを取ることで、料金やサービス内容を比較検討できます。インターネットで検索したり、自治体や地域の相談窓口で紹介してもらったりする方法があります。複数の業者に見積もりを依頼することで、適正な価格の把握にも繋がります。
必ず現地調査を行う訪問見積りを依頼する
正確な見積もりを出すために、現地調査は不可欠です。遺品の量や種類、部屋の状況などを業者に直接確認してもらうことで、より正確な見積もり金額を提示してもらうことができます。コロナ禍ではLINE等で画像を送ることでのオンライン査定も増えましたが、プロでないと気づかないこともありますので、可能なら立会いの上で訪問見積もりを行いましょう。ここで追加料金の発生はないかを確認することも重要です。また、現地調査の際に、業者とのコミュニケーションを通して、信頼できる業者かどうかを見極める機会にもなります。
見積書の内容確認のポイント
見積書を受け取ったら、以下のポイントを必ず確認しましょう。
料金の内訳
料金の内訳が明確に記載されているかを確認しましょう。人件費、車両費、処分費など、項目ごとに金額が明示されていることが重要です。不明瞭な点があれば、業者に問い合わせて詳細な説明を求めましょう。内訳が曖昧な業者は避けるべきです。
作業内容
どのような作業が含まれているのかを具体的に確認しましょう。梱包、搬出、清掃、遺品の仕分け、供養品の選別、不用品の処分など、作業範囲が明確になっている必要があります。ただし、見積書に記載されていないこともありますので、その際は必ず確認し、書面にしてもらうと安心です。また、作業日程についても確認しておきましょう。
追加料金の有無
追加料金が発生する可能性がある場合は、どのような場合に発生するのか、またその金額についても事前に確認しましょう。見積もり時に追加料金の発生条件を明確にしておくことで、後々のトラブルを回避できます。
遺品整理費用を安くする方法
遺品整理の料金は、様々な要因によって変動します。しかし、いくつかの工夫をすることで、費用を抑えることが可能です。ここでは、遺品整理の料金を安くする方法を具体的に解説します。
不用品の買取で相殺
遺品の中には、まだ使える家電製品や家具、貴金属、骨董品などがあるかもしれません。これらの品物を買取業者に査定してもらい、買取価格を遺品整理費用から相殺することで、全体的な費用負担を軽減できます。
複数の買取業者に見積もりを依頼することで、より高額な買取価格が期待できます。また、遺品整理業者の中には、買取サービスを併せて提供している業者もあります。まとめて依頼することで、手間も省け、費用も抑えられる可能性があります。遺品整理業者によっては提携している買い取り業者があり、見積と併せて査定を行ってくれるケースがあります。その際は買取り額分の値引きが反映されている見積書が出てくることになります。
自分でできる作業を行う
遺品整理業者に依頼する作業範囲を絞り込むことで、費用を抑えることができます。例えば、貴重品や重要書類の整理、思い出の品の仕分けなどは、自身で行うことができます。また、不用品の処分も、自治体のルールに従って自身で持ち込み処分することで、費用を削減できます。ただし、大型家具や家電の搬出などは、専門業者に依頼した方が安全で効率的です。
方法 | メリット | デメリット | 注意点 |
---|---|---|---|
不用品の買取 | 費用を相殺できる | 必ずしも高額で売れるとは限らない | 複数の業者に見積もりを取る |
自分で作業を行う | 作業範囲を絞り込んで費用を抑える | 時間と労力がかかる | 無理のない範囲で行う |
これらの方法を組み合わせることで、より効果的に遺品整理の料金を安くすることができます。ご自身の状況に合わせて、最適な方法を選択しましょう。
悪質業者に騙されないための注意点
遺品整理は故人の大切な遺品を整理するとともに遺族の心の整理も行うデリケートな作業であると同時に、大きな費用が発生する可能性もあるため、適正価格を提案してくれる業者を探す必要があります。不必要な作業や想定外の追加費用を請求するような悪業者とのトラブルを避けるために、以下の点に注意しましょう。
極端に安い料金
相場よりも極端に安い料金を提示する業者は注意が必要です。作業内容を簡略化したり、不法投棄などを行ってコストを削減している可能性があります。特に怖いのは業者が不法投棄した結果、依頼人が罰せられる可能性があります。廃棄物処理法(正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」)の第十六条で投棄の禁止が規定されており、第十六条の規定に違反して、不法投棄をした場合、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金が科せられることがありますので、安すぎる業者に依頼することは避けましょう。
高額な追加料金の請求
契約後に、当初の見積もりには含まれていなかった高額な追加料金を請求する業者もいます。「搬出作業が困難なため追加料金が発生する」「予想以上に遺品が多かったため追加料金が必要」など、様々な理由をつけて請求してくるケースがあります。契約前に追加料金が発生する可能性について明確に確認し、契約書に明記してもらうようにしましょう。
契約を急かす業者
「「今すぐ契約すれば割引します」」「「他のお客様から問い合わせが来ているので早く決めてください」」などと言って契約を急かす業者は注意が必要です。冷静に判断する時間を与えず、契約を迫ることで、不利な条件で契約させようとしている可能性があります。十分に検討する時間を取り、納得した上で契約するようにしましょう。
これらの点に注意し、信頼できる業者を選び、安心して遺品整理を依頼できるようにしましょう。
遺品整理業者を選ぶポイント
遺品整理は家に他人を入れる作業であり、適正価格で必要な作業を全て行ってくれる、信頼できる業者を選ぶことが重要です。遺品整理業者を選ぶ際には、以下のポイントを踏まえて慎重に検討しましょう。
資格・許可の有無
遺品整理業には国家資格は必要ありません。しかし、遺品整理士協会が認定している民間があります。資格持つことで、専門知識や技術を持っていることが証明されます。また、古物商許可は、不用品の買取や販売を行う際に必要な許可です。これらの資格の有無を確認することで、業者の信頼性を判断する材料の一つとなります。
実績と口コミ
実績と口コミは、その業者のサービスの質を判断する上で重要な指標となります。ホームページやポータルサイトなどで、過去の作業事例や顧客からの口コミを確認しましょう。また、昨今ではGoogleレビューなども参考になります。ただし、同業者からの悪質な偽レビューなどもあるので、横断体に評判や実績をみるとよいでしょう。実績が豊富で、良い口コミが多い業者は、安心して遺品整理を任せられる可能性が高いです。実際に利用した人の生の声を聞くことで、より具体的な情報を得ることができます。
丁寧な対応
遺品整理は、故人の思い出が詰まった品々を扱うデリケートな作業です。そのため、丁寧な対応をしてくれる業者を選ぶことが大切です。問い合わせ時の対応や、見積もり時の説明、作業中の配慮など、様々な場面での対応を確認しましょう。遺族の気持ちに寄り添い、丁寧かつ誠実に対応してくれる業者であれば、安心して遺品整理を任せられます。見積もり時に不明点や不安な点を質問し、きちんと説明してくれるかどうかも重要なポイントです。また、作業中の様子を写真や動画で報告してくれる業者もいます。このようなサービスを提供している業者は、透明性が高く、信頼できる業者と言えるでしょう。
項目 | 確認内容 |
---|---|
資格・許可 | 遺品整理士の民間資格、古物商許可、など |
実績・口コミ | ホームページ、ポータルサイトなどのレビュー |
対応 | 問い合わせ、見積もり、作業中など |
これらのポイントを総合的に判断し、信頼できる遺品整理業者を選びましょう。信頼できる業者を選ぶことで、故人の遺品を大切に扱ってもらい、安心して遺品整理を進めることができます。
まとめ
遺品整理は、故人の大切な遺品を扱うデリケートな作業であると同時に、費用もかかるものです。この記事では、遺品整理の見積り取り方、料金を安くする秘訣、そして悪質業者に騙されないための注意点について解説しました。複数の業者から見積もりを取り、料金内訳や作業内容、追加料金の有無などをしっかり確認することが重要です。現地調査も依頼し、疑問点は解消しておきましょう。