遺品整理の費用は間取りでおおよその費用が決まります。では一軒家の費用はどの位になるでしょうか?この記事を読めば、広さや間取りに応じた一軒家の遺品整理費用の相場が分かります。具体的な料金目安や実際の作業事例も紹介しますので、ご自宅のケースに近い費用感を掴むことができるでしょう。さらに、一軒家の遺品整理費用を安く抑える4つのポイント、そして安心して任せられる業者選びのコツまで詳しく解説します。
遺品整理一軒家の間取り別料金表
一軒家に限らず遺品整理にかかる費用は、その広さや間取り、そして遺品の量によって変動します。一軒家は多くの場合、部屋数が多く、庭や倉庫などが含まれる場合もあるため、作業範囲が広くなる傾向にあります。まずは、間取りごとの一般的な費用相場を把握することが大切です。以下の表は、あくまで目安であり、実際の費用は作業内容や遺品の量、買取品の有無、オプション作業などによって変動します。正確な金額は、必ず遺品整理業者による現地見積もりで確認するようにしてください。
間取り | 作業員数目安 | 作業時間目安 | 費用相場 |
---|---|---|---|
1LDK / 2DK | 2~4名 | 3~6時間 | 50,000円~200,000円程度 |
2LDK / 3DK | 3~5名 | 4~8時間 | 150,000円~400,000円 |
3LDK / 4DK | 4~7名 | 6時間~2日 | 150,000円~500,000円 |
4LDK / 5DK | 5~8名 | 8時間~2日 | 250,000円~800,000円 |
5LDK以上 | 6名~ | 8時間~3日 | 350,000円~ |
一軒家で1DKなんてるのか?というご意見もあると思いますが、ネットで検索してみると案外ヒットします。また、ログハウスなどの住宅もこのケースに含まれるでしょう。
具体的な料金事例
間取り別の相場だけでは、具体的なイメージが湧きにくいかもしれません。ここでは、実際の一軒家の遺品整理で発生した料金事例をいくつかご紹介します。ただし、これらはあくまで一例であり、お客様の状況によって費用は大きく異なることをご理解ください。
4LDK一軒家の遺品整理料金事例
東京都内、築25年の4LDK一軒家(約120㎡)にもともとご家族4人で暮らされていた方の遺品整理事例です。遺品整理前はお一人暮らしでしたが、長年お住まいだったため各部屋に家財道具が多く、特に衣類や書籍、趣味の道具などが大量にありました。庭には物置もあり、そちらの片付けもご依頼いただきました。買取可能な家電や骨董品が数点見つかりました。
作業員 | 5名 |
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作業時間 | 2日間 |
車両 | 2トントラック3台 |
主な作業内容 | 遺品の仕分け・分別、貴重品捜索、不用品の梱包・搬出、買取品の査定・搬出、ハウスクリーニング(オプション)、庭の物置整理 |
最終的な費用 | 約550,000円 |
この事例では、遺品の量が非常に多かったこと、オプションのハウスクリーニングを追加したことが費用に影響しました。一方で、買取品があったため、その分費用を抑えることができました。
3DK一軒家の遺品整理料金事例
地方都市、築40年の3DK一軒家(約70㎡)にお二人で暮らされていた方の遺品整理事例です。比較的整理整頓されており、大型の家具や家電が中心でした。ご遺族様がある程度事前に片付けを進めてくださっていたため、作業はスムーズに進みました。エアコンの取り外しと処分もご依頼いただきました。
作業員 | 3名 |
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作業時間 | 1日(約7時間) |
車両 | 2トントラック1.5台 |
主な作業内容 | 遺品の仕分け・分別、不用品の梱包・搬出、エアコン取り外し・処分 |
最終的な費用 | 約220,000円 |
こちらの事例では、ご遺族様による事前の片付けが進んでいたこと、遺品の総量が比較的少なかったことから、費用を抑えることができました。エアコンの取り外しは別途費用がかかることが多いオプション作業です。
ゴミ屋敷の片付けの場合の追加費用について
遺品整理を行う家が、いわゆる「ゴミ屋敷」と呼ばれる状態になっている場合、通常の遺品整理費用に加えて追加費用が発生する可能性が非常に高いです。ゴミ屋敷状態では、生活ゴミや不用品が床一面に散乱し、時には天井近くまで積み上がっていることもあります。このような状況では、以下の理由から追加費用が必要となります。
- 作業時間の大幅な増加:通常の仕分け作業に加え、ゴミの中から貴重品や思い出の品を探し出す作業に膨大な時間がかかります。また、搬出経路の確保も困難な場合があります。
- 処分量の増加:単純に廃棄する物の量が膨大になるため、廃棄物処理費用が増加します。
- 作業員の増員:予定していた人数では作業が終わらないため、人員を増やす必要が出てきます。
- 特殊な機材や薬剤の使用:悪臭や害虫が発生している場合、消臭・消毒作業や害虫駆除が必要となり、専用の機材や薬剤の費用がかかります。
部屋の状態 | 追加費用の目安 | 作業内容 |
---|---|---|
ゴミ処分のみで済むケース | +10万~30万円 | 大量ごみの分別と処分 |
害虫が湧いているケース | +30万~50万円 | ごみの処分だけでなく、害虫駆除や消臭作業 |
長年ゴミ屋敷状態だったケース | +50万~100万円以上 | 大規模なごみ処分や清掃、床や壁の修繕も |
ゴミ屋敷状態の片付け費用は、通常の遺品整理費用の1.5倍から3倍以上になることも珍しくありません。見積もり時には、家の状況を隠さずに正確に伝えることが、後々のトラブルを防ぐために重要です。
特殊清掃が必要な場合の追加費用について
故人が室内で亡くなられ、発見までに時間が経過してしまった場合(孤独死など)や、事件・事故現場となったお部屋では、遺品整理とは別に「特殊清掃」と呼ばれる専門的な作業が必要になります。特殊清掃は、通常のハウスクリーニングでは対応できない、血液や体液の除去、腐敗臭の完全消臭、感染症予防のための消毒、ウジやハエなどの害虫駆除などを行います。以下の様な専門的な作業が必要なため追加費用は必須です。
- 消毒作業:特殊清掃現場では常に感染症の危険にさらされるので、消毒作業が必須となってきます。場合によっては見積時に消毒作業を行ってしまう場合もあります。
- 体液などの清掃:お亡くなりになった遺体からは体液や血液が出ます。これらは特殊な薬品などで落としたり、浸み込んだものは解体作業も必要になってきます。
- 害虫の駆除:当然のごとく時間のたったご遺体の周りにはウジやハエなどがわきます。これら害虫駆除作業も必要になります。
- 消臭作業:臭いの下である体液等を薬品や解体作業で取り除いても空間に臭いは残ります。このにおいをオゾンやヒドロキシルなどで仕上げに消臭します。
特殊清掃の作業内容 | 追加費用の目安 |
---|---|
悪臭除去、菌・ウイルスの消毒 | +20万~40万円 |
蛆・ゴキブリ・ダニなどの駆除 | +5万~15万円 |
専門的な技術による血液・体液の完全除去 | +20万~50万円 |
この特殊清掃は、専門的な知識、技術、経験、そして専用の薬剤や機材が不可欠であり、作業には危険も伴います。そのため、遺品整理の基本料金とは別に、高額な追加費用が発生します。費用の目安は、汚染の範囲や状況、必要な作業内容によって大きく異なり、数万円から数十万円、場合によってはそれ以上になることもあります。
特殊清掃が必要な場合は、必ず特殊清掃に対応している専門の遺品整理業者に依頼しなければなりません。見積もり時に詳しく説明を聞き、作業内容の詳細などをしっかりと確認することが重要です。
アパート、マンションの遺品整理と一軒家遺品整理に違うが出る理由
遺品整理の基本的な流れは同じですが、建物の種類によって作業内容や注意点、そして費用に違いが出ることがあります。特に一軒家とアパートやマンションのような集合住宅とでは、いくつかの明確な違いが存在します。その理由を理解しておくことは、適正な費用感を把握し、スムーズな遺品整理を進める上で重要になります。
物量の差が最も大きな違い
一軒家と集合住宅の遺品整理で最も大きな違いを生む要因は、遺品の「物量」です。一般的に一軒家は、アパートやマンションに比べて部屋数が多く、押し入れや納戸、屋根裏、床下収納といった収納スペースも豊富にあります。さらに、庭に物置が設置されていたり、ガレージに物が置かれていたりするケースも少なくありません。長年住まわれた一軒家の場合、これらのスペースに大量の家財道具や自転車、車などが保管されていることが多く、結果として遺品の総量が集合住宅よりも格段に多くなる傾向にあります。この物量の差は、作業に必要な人員数、作業時間、そして最終的な処分費用に直接影響を与えるため、費用が高くなる主な理由となります。
作業スペースと搬出経路の制約
遺品を運び出す際の作業スペースの確保や搬出経路も、一軒家と集合住宅では異なります。
一軒家の場合
一軒家の場合、庭や敷地内の空きスペースを作業場所として利用できる場合があります。例えば、一時的に遺品を仕分けする場所として庭を活用したり、不用品をまとめておくスペースとして駐車場を利用したりできます。搬出経路も、玄関だけでなく、掃き出し窓や勝手口など複数の選択肢がある場合があり、比較的作業の自由度が高いと言えます。ただし、家の中の階段が狭かったり、急勾配だったりすると、大型家具の搬出に手間がかかることもあります。最も費用が高くなるケースは駐車スペースがない場合で、トラックを止めるのがだいぶ離れた場所になると必然的に作業員が増えることになり、人件費があがります。
アパート・マンションの場合
一方、アパートやマンションでは、作業スペースは基本的に室内のみに限られます。共用廊下やエレベーター、階段を使って遺品を搬出する必要があり、他の居住者への配慮が不可欠です。そのため、壁や床を傷つけないように養生(保護シートなどで覆うこと)が必須となるケースがほとんどで、この養生作業にも時間と費用がかかります。エレベーターの利用時間に制限があったり、階段での搬出しかできなかったりする場合、作業効率が大きく低下し、時間も余計にかかることになります。また、一方で駐車スペースに困らないケースが多いとも言えます。
作業時間と人員数の違い
前述の物量の差と搬出経路の制約から、一軒家の遺品整理は、集合住宅に比べて作業時間と必要な人員数が多くなるのが一般的です。物量が多ければ仕分けや梱包、搬出に時間がかかりますし、搬出経路が複雑だったり、大型の家具が多かったりすれば、それだけ多くの人手が必要になります。集合住宅でも、高層階でエレベーターが使えないといった特殊なケースでは時間がかかることもありますが、平均的には一軒家の方が作業規模は大きくなる傾向があります。
近隣への配慮と車両駐車の問題
遺品整理作業中は、どうしてもある程度の騒音や人の出入りが発生します。集合住宅の場合、隣や上下階の住戸との距離が近いため、騒音や振動、共用部分の使い方など、より細やかな配慮が求められます。一軒家でももちろん近隣への配慮は必要ですが、集合住宅ほど神経質にならずに済む側面もあります。また、遺品を運び出すためのトラックの駐車スペースも重要なポイントです。地方であれば一軒家の場合敷地内に駐車できることもありますが、首都圏の場合、トラックを何台も止めるスペースがない場合が多くなり、離れた場所や近隣のコインパーキングなどを利用する必要が出てきます。その場合、駐車料金が別途費用として加算されることになります。その場合、駐車料金が別途費用として加算されることになります。一方でアパートやマンションの場合、住民の駐車場があるケースもあり、日中であればトラックを止めるスペースを確保できる場合もあります。
一軒家の遺品整理費用を安く抑える4つのポイント
一軒家の遺品整理は、アパートやマンションに比べて物量が多く、作業範囲も広くなるため、費用が高額になりがちです。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、費用負担を軽減することが可能です。ここでは、一軒家の遺品整理費用を安く抑えるための具体的な4つのポイントについて解説します。
ご自身でできる範囲の整理・処分を進めておく
遺品整理業者に依頼する前に、ご自身でできる範囲の作業を進めておくことで、業者の作業時間と作業量を減らし、結果的に費用を抑えることが期待できます。全てを自分で行う必要はありませんが、時間的・体力的に可能な範囲で取り組むと良いでしょう。具体的には、以下のような作業が考えられます。
- 貴重品や重要書類の捜索と保管:現金、預金通帳、印鑑、年金手帳、保険証券、不動産の権利書、貴金属、写真アルバムなど、誤って処分してはいけない大切なものを先に見つけ出し、安全な場所に保管しておきます。業者に貴重品や重要書類の捜索を依頼することも可能ですが、できればご自身で探すことをおすすめします。特殊清掃が必要な場合はいきなり入室することが難しいので、業者と相談して貴重品捜索のタイミングを決めるとよいでしょう。
- 明らかなゴミの分別と処分:生活ゴミ、生ゴミ、賞味期限切れの食品、空き缶、ペットボトルなど、誰が見ても不要と判断できるゴミを、自治体のルールに従って分別し、収集日に合わせて処分します。
- 簡単な仕分け作業:残しておきたい形見の品と、処分するものを大まかに分けておくだけでも、業者の仕分け作業の手間を省くことができます。衣類、食器、書籍などを種類ごとにまとめておくと、さらに効率的です。形見の品の分別も業者に依頼することは可能ですが、うっかり見逃して指示ができていないとゴミと判断されることもあるので、できれば自分で行いましょう。
ただし、ご自身での作業は無理のない範囲で行うことが大切です。時間的、体力的に難しい場合や、どこから手をつけて良いかわからない場合は、無理せず業者に相談しましょう。また、自治体によってゴミの分別ルールは異なりますので、事前にしっかりと確認しておくことが、スムーズな処分につながります。
複数の遺品整理業者から相見積もりを取る
遺品整理の費用は、業者によって料金体系やサービス内容が異なり、同じ作業内容でも見積もり金額に大きな差が出ることがあります。そのため、必ず複数の業者(できれば3社以上)から相見積もりを取り、内容を比較検討することが非常に重要です。ホームページには間取りごとの費用目安が書いてありますが、一般的な費用相場なので、正確に費用を把握することは難しい場合が多いです。複数の業者から見積もりを取つことで、ご自宅の状況における適正な費用相場を把握でき、不当に高額な請求をする悪質な業者や、逆に安すぎる見積もりで後から追加料金を請求するようなトラブルを避ける助けにもなります。
相見積もりを取る際には、単に総額を比較するだけでなく、以下の点を詳細に確認しましょう。
確認項目 | チェックポイント |
---|---|
作業範囲 | 部屋の片付け、不用品の搬出・処分、清掃、買取など、どこまでの作業が含まれているか。 |
料金体系 | 基本料金の内訳、オプション料金(エアコン取り外し、ハウスクリーニングなど)の有無と詳細、追加料金が発生する可能性とその条件(想定以上の物量、特殊な作業など)。 |
処分方法 | 回収された遺品や不用品が、法律に則って適正に処理されるか。不法投棄のリスクがないか。 |
買取サービス | 買取可能な品目、査定方法、買取金額の提示方法(作業費用との相殺など)。 |
作業体制 | 作業当日のスタッフ人数、おおよその作業所要時間(日数)。 |
保険加入状況 | 万が一、作業中に家財や建物に損害が発生した場合に備え、損害賠償責任保険に加入しているか。 |
見積もりは、可能であれば訪問見積もりを依頼することをおすすめします。実際に現場を見てもらうことで、より正確な見積もり金額を知ることができ、当日の追加料金発生リスクを減らせます。また、料金の安さだけで判断せず、サービス内容の充実度、担当者の対応の丁寧さ、過去の実績や口コミなども含めて総合的に比較し、信頼できると感じる業者を選ぶことが、後悔しない遺品整理につながります。
価値のある遺品は買取サービスを活用する
故人が大切にされていた品々の中には、骨董品、美術品、絵画、茶道具、着物、貴金属、ブランド品、切手、古銭、比較的新しい家電製品(製造から5年以内が目安)、状態の良い家具など、金銭的な価値を持つものが含まれている可能性があります。これらの品物を適切に査定し買い取ってもらうことで、遺品整理にかかる費用負担を軽減できます。
多くの遺品整理業者は、不用品の回収・処分だけでなく、買取サービスも同時に提供しています。遺品整理と買取を同じ業者に依頼すれば、査定から買取、搬出までを一度に行えるため、手間がかかりません。買取が成立した場合、その買取金額を作業費用から差し引いてもらえることが一般的で、場合によっては作業費用よりも買取金額が上回り、プラスになるケースもあります。
ただし、業者によって買取可能な品目や査定基準は異なります。より高く買い取ってもらいたい場合は、遺品整理業者だけでなく、骨董品やブランド品などの各分野に特化した専門の買取業者にも査定を依頼し、比較検討することも有効な手段です。事前にどのような品物が買取対象になるかを確認し、価値がありそうなものは分別しておくことをおすすめします。
安心できる遺品整理業者選びのコツ
大切な故人の遺品整理を任せる業者選びは、費用だけでなく、信頼性や対応の質も非常に重要になります。後悔しないためには、いくつかのポイントを押さえて慎重に選ぶ必要があります。ここでは、安心して任せられる遺品整理業者を選ぶための具体的なコツをご紹介します。
見積もりは複数社から取得し内容を比較検討する
遺品整理の費用は、業者や作業内容によって大きく異なります。必ず3社程度の業者から相見積もりを取得し、料金だけでなくサービス内容や作業範囲を詳細に比較検討することが、適正価格で信頼できる業者を見つける第一歩となります。
見積もりを確認する際は、以下の点に注意しましょう。
- 総額だけでなく、内訳が明確に記載されているか: 基本料金、人件費、車両費、廃棄物処理費、オプション料金(買取、供養、特殊清掃など)がそれぞれいくらかかるのか確認します。
- 追加料金が発生する可能性とその条件: 見積もり時に想定していなかった作業(例:予定以上の物量、吊り下げ搬出など)が発生した場合の追加料金について、事前に説明があるか確認しましょう。「追加料金は一切かかりません」と明言している業者を選ぶとより安心です。
- 作業範囲が明確か: どこまでの作業(仕分け、梱包、搬出、簡易清掃、買取、供養など)が含まれているのか、具体的に確認することが重要です。特に一軒家の場合、庭木の剪定や物置の解体などが含まれるかどうかも確認ポイントになります。
極端に安い見積もりには注意が必要です。後から高額な追加料金を請求されたり、不法投棄などのトラブルに繋がる可能性も考えられます。安さだけでなく、サービスの質や信頼性も考慮して判断しましょう。
業者の信頼性を見極める方法
料金以外にも、業者の信頼性を確認することは非常に重要です。以下の点をチェックしましょう。
必要な許可や資格を保有しているか
遺品整理業を営む上で、法的に必須となる許認可があります。また、専門知識やスキルを示す民間資格も判断材料になります。
- 遺品整理士などの民間資格: 遺品整理士認定協会が認定する「遺品整理士」など、遺品整理に関する専門知識やスキルを証明する民間資格があります。必須ではありませんが、資格保有者が在籍していることは、一定の知識や倫理観を持っている目安となり、安心材料の一つになります。
- 産業廃棄物収集運搬業許可: 事業活動に伴って生じた廃棄物(産業廃棄物)を扱う場合に必要です。一般家庭の遺品整理では通常不要ですが、事業所兼住宅などの場合は確認が必要なケースもあります。
- 古物商許可: 遺品の中に価値のあるものがあり、それを買い取る場合には、都道府県公安委員会の古物商許可が必要です。買取も依頼したい場合は、この許可の有無を確認しましょう。
これらの許認可や資格は、多くの場合、業者のウェブサイトに掲載されています。見当たらない場合は、直接問い合わせて確認しましょう。
豊富な実績と経験があるか
遺品整理は、単に物を片付けるだけでなく、故人や遺族の想いに寄り添うデリケートな作業です。特に一軒家は物量が多く、搬出経路が複雑な場合もあるため、経験豊富な業者を選ぶことが望ましいです。業者のウェブサイトで、これまでの作業事例(特に一軒家の事例)や創業年数、年間の作業件数などを確認しましょう。具体的な事例が写真付きで紹介されていると、作業の質をイメージしやすくなります。
損害賠償保険に加入しているか
遺品整理作業中には、万が一、家財や建物に傷をつけてしまったり、遺品を破損してしまったりするリスクが伴います。信頼できる業者は、このような不測の事態に備えて損害賠償保険に加入しています。保険に加入しているか、また、どのような事故が補償対象となるのか、事前に確認しておくと安心です。
契約前に確認すべきこと
見積もり内容や業者の信頼性に納得できたら、契約に進みますが、その前にもう一度確認すべき点があります。
- 契約書の内容: 作業日時、作業範囲、料金総額、支払い方法、キャンセル規定などが明記された契約書を必ず交わしましょう。口約束だけでなく、書面で内容を確認することがトラブル防止に繋がります。不明な点や疑問点は、契約前に必ず質問し、納得のいく説明を受けましょう。
- 担当者の対応: 見積もり時の電話対応や訪問時の担当者の人柄、説明の丁寧さなども重要な判断材料です。親身になって相談に乗ってくれるか、質問に対して的確に答えてくれるかなど、コミュニケーションがスムーズで、信頼できると感じる担当者がいる業者を選びましょう。遺品整理は精神的な負担も大きい作業ですので、安心して任せられると感じられることが大切です。
- 遺品の取り扱いに関する希望の伝達: 探してほしい特定の遺品、供養してほしい品物、寄付したいものなどがあれば、事前に明確に伝えておきましょう。希望に対応可能か、どのように対応してくれるのかを確認しておくことが重要です。
口コミや評判を参考にする
実際にその業者を利用した人の口コミや評判も、業者選びの参考になります。インターネット上の口コミサイト、Googleマップのレビュー、SNSなどをチェックしてみましょう。
ただし、口コミを参考にする際は以下の点に注意が必要です。
- 良い評価だけでなく、悪い評価にも目を通すことで、業者の長所と短所を客観的に把握できます。
- 具体的な作業内容や担当者の対応について書かれた、詳細なレビューを重視しましょう。
- 極端に評価が高すぎる、または低すぎる場合や、似たような内容の投稿が短期間に集中している場合は、サクラや意図的な書き込みの可能性も考慮に入れましょう。
- 最終的には、口コミはあくまで参考程度とし、ご自身の目で直接確認した情報(見積もり内容、担当者の対応など)を重視して判断することが大切です。
これらのコツを参考に、複数の業者を比較検討し、ご自身にとって最も信頼でき、納得のいく遺品整理業者を選んでください。